7 月 13

「笑い待ち」をしながら笑いを取るためのテクニック

「笑い待ち」の間は、しゃべらない、ネタを続けないと思われているが、待っている間に笑いを取ったり、次につなげたりするというテクニックを書きます。

どちらかというと芸人向け、特に舞台芸人向けの内容です。
うまく使えれば、トークでも役に立つかも知れないです。

「笑い待ち」が何か知らない人もいると思うので、意味を自分なりに書きます。そのままですが、

観客が笑い終わるのを待つ行為

「笑い待ち」は、どんな時に、何のために使うテクニックか?

基本的に、大きな笑いが起きた時に、その笑い声で次のセリフがかき消されないようにするために使うテクニックです。もうちょっとつっこんで書くと、次のフリが笑いで聞こえなくなると、お客さんが流れがわからなくなったり、ボケが聞こえなかったりして、それ以降の笑いを取ることに支障をきたすので、それを防ぐために笑い待ちをします。

あまり、舞台にあがったことない人がよくする失敗

沢山練習して舞台に立った時に、そのままのペースでネタをやるため、笑いを取った後に笑い待ちをせず、客を置いていってしまうことがよくあります。

演劇等のお芝居の笑いだったら、この辺は演出家の仕事かと思います。

基本的な「笑い待ち」というテクニックの説明はここまでです。

では、笑いが起きている状態でどう笑わせるのか?

答えは簡単です。声が届かないなら、目に訴える「動き」を使います。
決して「動き」で笑わせるという意味ではないので気をつけて下さい。

一番良いと思うのは、笑いの取った内容を動きでなぞる、膨らませるというテクニックです。
これは、笑いの流れによっては利用できないこともあるでしょう。

前の笑いが膨らませられないものだった場合、「動きの笑い」「顔芸」等使うのも手だと思います。(芸風や芸人としてのプライドが許せば)

それもできなそうなら、次の笑いに繋がるフリなり、演技なりを続けましょう。ただじっとお笑いがおさまるのを待つだけなんて、時間がもったいないです。

#ちょっと分かりづらいかな…分かりづらかったらコメントして頂ければ説明します。

「笑い待ち」の間に笑いをもっと取るネタの作り方

以上のテクニックを使うと、理論上、より短い時間に多くの笑いを入れることができます。つまり、LPM(Laugh per minite)が上がります。

ネタを考える時点では、広がるボケを配置して、その後に笑い待ちのテクニックを使うという構成を作るということを意識するといいと思います。それで、より笑いが続き、大爆笑に繋げやすいはずです。

「笑い待ち」を利用できないお笑い

「笑い待ち」ができない場合があります。

簡単に言うと、お客さんが目の前にいない、インタラクティブにネタができない場合です。
つまり、テレビや映画です。

テレビの場合は特に気をつけましょう。
観客がいるネタ番組では、目の前にいるお客を笑わせるのか、テレビの前にいる視聴者を笑わせるのかによって、ネタや表現の方法が変わってくるでしょうから。

「笑い待ち」中に笑わせるテクニックを使った例

「笑い待ち」中に笑いを取るっていうテクニックって、今まで聞いたことなかったので、誰も考えていないのかと思っていたら、やっぱり使われているんですね。

以下のブログで、劇団東京ヴォードヴィルショーの『「アパッチ砦の攻防」より 戸惑いの日曜日』がそうだったと書いてありました。
日曜日が待ち遠しい!

大人数でやる舞台だと、純粋な「笑い待ち」をしちゃうと、死に間ができちゃったり、不自然になるので、自然に「笑い待ち」はしないと言えば、そうかも知れないですよね。その芝居が次の笑いを生んでいるか、どうかの違いがあるかどうかという点はあるでしょうけども。


7 月 07

ツッコミ役の仕事はたくさんありますが、思いつく限りを書きます。お笑いに詳しくない人には、ツッコミ役の仕事はツッコミだけと思われがちです。しかし、実際に笑いを作る場面では、ツッコミ役は色々な役割を期待されていますし、直接笑いを取る以外の様々な仕事をしています。これを知ることで、チームプレーとしての笑いの作り方や、テレビでの芸人の動き、発言の意味がより理解できるようになるでしょう。芸人を目指している人でも、ボケにつっこむことしかしない、または、それをするのが仕事と思っているツッコミ役の人がいますが、より笑いを作りやすく、ボケ役がボケやすい環境を作れるようになれると、より質の高い笑いを提供できると思います。

ボケにつっこむ

ボケ(常識から見て、おかしいこと、ずれていることなど)を指摘する、訂正することと言われます。このとらえ方だけだと、ツッコミはうまくなりません。正確には、指摘することで見ている人に、そのボケ(間違い)を伝えるためにつっこみます。当たり前のように聞こえますが、この違いをよく理解していない人がかなり多いです。これを知らない人は、つっこむターゲットと、笑いを取るターゲットをよく理解せず、つっこむことになります。
ボケ役がわかりづらいボケをして伝わっていないと思った時に、意味を伝えることもあります。(通訳するなどと言われるが、どちらかというとフォローに近いでしょうか。)

振る(ネタフリ)

ネタを振ったり、話題を振ったりと前準備をする行為を指します。

  • ボケに持っていくためのフリ(伏線をはる、ボケのきっかけを作るなど)
  • ボケをより強くするためのフリ(確認、追い込むなど)
  • 素人でもボケられるフリ

などが主なものと思います。
かなりうまい人は、どう答えても笑いになるフリ(質問)をして、相手に笑いを取らせたり、答えにつっこんで笑いをとることができます。明石家さんまさんがやっているのを見たことがあると思います。これをできる人は、なかなかいません。

拾う

他人が言ったことで笑いになることを流さず、拾って笑いにつなげていくことです。
ボケや明らかに笑いを意図した発言に気づかなかったりすると、ツッコミ役としてはダメですし、周りから信頼されません。逆に全部拾ってしまうのも問題です。下らないものを拾ってしまうとグダグダになってしまったりします。
どれを拾って、どれを拾わないかは、センスの問われるところです。

ふくらます

ボケに対しては、つっこむだけでなく、のったり、膨らましたりする選択肢もあります。下手なツッコミ役は、おかしなことを言うや否や、すぐつっこむので、別の選択肢もできるようになると、芸と笑いの幅が広がります。
話題に対しまだまだ深く掘れると思ったら、膨らました方が会話が広がっていき、笑いが多く取れることがあります。笑いの匂いがする方を一瞬で判断しなくてはいけないので、難しい所です。
ツッコミのセンスの問われるところです。

フォローする

いわゆる後処理です。何かのミスをした場合に、そのマイナスを帳消しにしたり、プラスにしたりする能力です。これができるツッコミ役がいると非常に安心してボケやすいですし、芸人からは信頼されます。レベルの高い人ですと、どんなにスベっても笑いに変えてくれるのですが、非常に技術のいることなので、これができる人は非常に限られます。(さらに救われていると気づかない人も多い。)

  • お客さんに伝わらなかった部分を説明する
  • スベった時にごまかしたり、流したり、笑いにしたりする。
  • 毒づいた時に、それを柔らかくしたりする。
  • 変な空気になった時、立て直す。

流れを作る、進行する(司会など)

進行をするという仕事です。全体の流れを調整しながらも笑いを取るため作業もしなくてはいけません。

  • グダグダにならないようにする
  • 話題がずれたら戻す
  • 変な間を作らない
  • 進行しながらも笑いをとる

オフらせない

複数の人でトークしている際に、中に入ってこれない人やトークに参加しない人などを出さないようにする。

いじる

ボケの人がいじったりすることもありますが、ツッコミ役がピンでやっている場合などは、お客さんやゲストをいじったりして笑いをとったりします。
ネタでは普通はやりませんし、プロにはよく思われません。素人いじりがうまいと言われる芸人さんがいるように、テレビでは、重要な技術の一つです。

  • キャラをいじる
  • 外見をいじる
  • 内面をいじる
  • 動かして、つっこむ

ボケる

相方のボケ役がボケられない時、フリートークで誰も笑いを取らない時、まずい空気になった時、相手が全く面白くない(素人)時などにツッコミ役でもボケなきゃいけない時もあります。
しかし、それがすべったりして、さらに空気が悪くなったりするとかなりきつくなります。他につっこんでくれる人がいるか確認して、いない場合は、後のことを考えてボケた方がいいでしょう。

相方にボケさせる(流れをもってくる)

大人数がいる場合のフリートークなどでは、できるだけ自分の相方にボケさせるようにします。
そのために相方がボケられるように話を自分の方にもってきたりします。無理に持っていくと嫌な感じがするので、自然な流れが必要です。
なおかつ、できるだけ短い間に話しをつなげる能力が必要になってきます。

ボケとお客さんとの橋渡し役 (ボケの通訳)

ツッコミ役は、お客さんと同じ立場に立ち、常識を持ち、お客さんの視点で物を見る(芝居をする)のが、基本です。
わかりにくかったり、意味がわからないものなどは、説明したり、どういう意味か聞いてみたりして、確実にボケの意味やボケ役の世界をお客さんに伝えなければいけません。

キャラをつける

はじめての人や素人の人などをいじる時に、キャラクターをつけていじったり、笑いにつながるようにする作業です。
その人を何かに例えてキャラをつける場合、キャラをつける時点で笑いも取れます。それに加え、その後のために笑いの種をまいている作業でもあります。

地味な作業ですが、のちのちにキャラに絡めて笑いを取ったりすることができます。そういう意味では、フリとも言えます。
キャラをつける時点で笑いをとる時は、見立てを使う人が多いです。

ボケ役を追い込む

広い意味では「フリ」の中に入ると思いますが、ボケを追い込むことでボケ役にボケさせたり、ボケを強くするわけです。緊張と緩和という意味ではあえて緊張を作り出すという技術とも言えます。
ネタなどで意識的にこれをしているコンビはたくさんあります。(どのコンビか言わないので探してみて下さい)

切羽詰まった状況を作り出して、焦らせ、その状況で出てくる、発言や行動で笑いを取るという方法とも言えます。初心者がなかなか気づかない笑いの手法です。

ボケ役にボケを考える時間を与える

フリートークなどでボケ役にボケるためのフリをした後に、ボケ役がボケを考えるための時間を作ってあげます。例えば、フリについてもうちょっと詳しく説明をしたりする間にボケ役に時間を与え、ボケを考えてもらうわけです。
逆に考える時間を与えないで追い込むという笑いの取り方もあるので、うまく使い分けましょう。

このようにツッコミ役の人には、ツッコミ以外に沢山の仕事があります。常にこれらの仕事を一瞬の時間で判断し、最適な選択をするという作業をできる人が、レベルの高いツッコミ役ということになります。
ボーっと見ているとわかりませんが、うまいと言われるつっこみの人をよく見ているとこれらの作業をしていることがわかると思います。

直接面白いことを言ったりしないので、面白くないとか、あまり仕事をしていないと言われるツッコミ役ではありますが、このように裏方的に
笑いにつながる仕事をしているわけです。


7 月 03

これからのブログで、ツッコミの技術的なエントリーを書いていく予定です。ツッコミという用語の使い方が、一般とちょっと異なるので、僕的なツッコミの定義を書きます。

wikipediaのツッコミの項目では、現在以下のようにかいてあります。

wikipedia「ツッコミ」

ツッコミ(突っ込み)とは、

1. お笑い(特に漫才)における役割のひとつである。対義語はボケ。
2. 強姦の隠語。警察用語であり、事件記者の間でも使われる。
3. 自動車やオートバイのレース等で使われる言葉。直線路からカーブ(コーナー)へ(勢いよく)進入する行為。

この定義だと、役割のみです。
(特に漫才? 漫才でも、コントでも、トークでも変わらないような。)

僕の定義では、2つの意味に明確に分けます。

  1. 役割としてのツッコミ
  2. 行為としてのツッコミ

役割としてのツッコミ
グループの担当としてのツッコミ役、笑い(コント、漫才)の役割上のツッコミ役。
ツッコミ役の役割には、ツッコミ以外の役割も期待されます。

行為としてのツッコミ
頭を叩く、間違いを指摘し聞く人にわかりやすく伝える等の行為です。
「なんでだよ!」、「欧米か!」など。

当たり前ですが、

  • ボケ役がつっこむこともあります。
  • ツッコミ役がボケることもあります。
  • ツッコミ役の仕事が、つっこむ行為だけでもありません。

これは、当たり前のことだと思うのですが、明確に分けて定義しているところはないように思います。この2つを意識して分けることで、笑いのとらえ方もわかりやすくなるのではないでしょうか。
ツッコミの定義をこの2つの意味に分ける方を標準にして欲しいなぁ。

用語も、「つっこみ」「突っ込み」ではなく、名詞は「ツッコミ」、で統一しようと思います。
動詞は、微妙なのですが、「つっこむ」と平仮名にする予定です。

今後、ツッコミ役の役割、つっこむ対象等のエントリーを書いていく予定です。


7 月 01

一般の人とお笑いの話をしていて、お笑い的にそれ間違っているなぁと思うことがよくあります。
トーク中ですし、誰もいちいち説明したりしませんが、軽くこの位は理解してよと思うことを書いてみます。

そんなお笑いへの間違いを簡単に述べます。各項目の詳しい説明は、今後のブログに書いていく予定です。
意見が正しいとは限らないので、間違いの指摘は、どんどんコメントへどうぞ。

面白い人が売れると思っている

面白い人が必ず売れるわけでもないし、面白くないと売れないというわけでもないです。最低限のお笑いの能力や資質はもちろん必要ですが。
テレビ局、芸能事務所も商売としてやっているので、面白さだけが要因ではありません。
音楽業界で例えると、ランキングの上位にいるのが、いい曲や歌のうまい人とは限らないということです。

笑われている人と笑わせている人の違いがわからない

笑われている素人と笑わせているプロを比べて、素人の方が面白いと言ったりするのは、よく言われる「笑われている人」と「笑わしている人」の区別がついていないのでしょう。
天然で笑わせても、意図的に笑わせても同じと思っているということでしょうか。

面白いことをして!と言う

これを言う初心者は、お笑いのハードルということを知らないか、どういう状況になったら笑わせやすいのか、笑わせにくいのかをわかってない場合が多いです。

人の話を止めて、自分の話を始める

お笑いというより、話をする時のルール違反です。どう考えても落ちのある話をし始めているのに、割って入ってくる人がいます。話のはじめを聞いて、落ちのある話かそうでないかの違いがわからないのでしょう。
ちゃんとお笑いをしている時に、落ちのない話を始めたなと思ったら、逆に止める時はもちろんあります。

ボケたらつっこむべきと思っている

必ずつっこまなきゃいけないわけでもないですし、ツッコミ以外のリアクションをすることも沢山あります。
ボケて「つっこんでよ」って言う人は、大抵ボケになっていないか、つっこむ価値のないボケをしているかです。

着地点を考えずにフリをする

どう笑いを取るのかも考えず振るのはやめましょう。特にフォローする力のない人が振るのはやめましょう。
初心者の着地点を考えないフリは、見ているだけでも結構イライラします。

面白い話をしてと言うと面白かった話をする

笑える話をして欲しいのに、自分が面白かった体験(ポジティブな話)をして、その時は面白かったのに伝わらないなー等言うのですが、そうじゃなくて、むしろ失敗した話や怒った話(ネガティブな話)をしてくれた方が面白いのですが…

笑いを一点だけで作ろうとする

初心者だと、面白いことをするとか、言うとかだけで笑わせようとします。前後がないのです。
特に、脚本、マンガ等の文章ベースのものだと特にそういう傾向が強い気がします。
状況、キャラクター、フリ、返し等を使えば、別に面白い言葉とか動きをしなくても笑いはとれます。というか、そっちの方が自然な流れで、リスクも少なく笑いがとれます。
初心者は一瞬だけを使って笑わせようとしますが、うまくなってくると、フリから落ちまでの時間が段々長くなっていきます。

とりあえず、思いついたのはこの8つです。
また思いついたら、増やしたりすると思います。